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商品化されているような錯覚になる寄附事業

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ブログ 2021.1.12

【刻石流水】かけた情けは水に流せ。受けた恩は石に刻め

こんにちは。【刻石流水】は好きな教訓ですが、行動で示しているか微妙な酒見です。

今、インターネットショッピングでもコマーシャルでもふるさと納税で貰えるお礼品が
ピックアップされてます。
ほとんど商品・販売の感覚ですが、あくまでも寄附による慈善事業だと思うのですが・・・

気になりましたので

ふるさと納税の構図(特にお金の流れ)を確認してみました。

住民税は居住地(都道府県、市区町村)に対し所得の一定割合を納めるものです。

これは地方行政サービスをまかなうコストとされており、それこそゴミ処理から公立学校の

教育費用までいろんなかたちでコスト負担をしています。

この住民税について「実際には住んでいない市区町村、都道府県」に納税したこととするのが

ふるさと納税の考え方です。

ふるさと納税の初期は「自分の故郷に今から納税してあげられるしくみ」と説明されてきました。

文字通り「自分のふるさと」に納税をつけかえる感覚です。

しかし、どこかの誰かが、返礼品が許されることを条文から見つけ出し、本来の狙いとは違う

「縁もゆかりもない都会人から税金をつけかえてもらって、地方の名産品を送り返す仕組み」

としてふるさと納税を再定義してしまいました。

これだと今住んでいる市区町村や都道府県にはしわ寄せがくるはずです。

納税額が減ってしまうわけですから。

東京23区ではふるさと納税での「住民税流出」が大きいといわれています。

税収減により、子育て支援の費用確保にしわ寄せが来ていると述べる市区町村もあります。

流出が極端なのは主に首都圏で、全国的にも待機児童問題があるのは首都圏のみですから、

ふるさと納税すればするほど、首都圏暮らしの人の生活にはしわ寄せがくることになります。

現実的にはまんべんなく行政費用を引き下げるしかないので、それ以外のサービスにしわ寄せがくることもあります。

人口比率で考えても、住民が多い地域から少ない地域へ住民税が移転することになりますから、

人口密集地域の行政サービスは劣化する可能性が高くなります。

つまり!ふるさと納税は、自分の今住んでいるところへ
納税額を減らすことなるので

 

「意識して納税してください!」

(当事務所の所長も警鐘されておりますが、法で許されているのでこれ以上言えません)

 

それでもお礼品では美味しそうなお肉が見受けられるので我慢できなかったら

 

こいつらと一緒に
最高級のステーキを頬張りましょう。

 

どんなきれいごとを言っても

人間の行動学の視点で

無意味なことが、あります。

それは・・・

「決意をすること」

だそうです。

想いだけではダメなんですね。
具体的な行動を明確にしましょう。

 

因みに

有意義なことは

「時間配分を変えること」

「住む場所を変えること」

「付き合う人を変えること」

そして

「多くの人に施す事」

だそうです。

見返りは程々に。