黒永会計事務所 | 西新宿駅から徒歩2分の税理士事務所です。図解で分かりやすい資金繰り・経営分析を行います。

今こそやるべき少子化対策 連載1~税制と出生率アップの関係とは~

  1. トップ
  2. ニュース&トピックス
  3. 今こそやるべき少子化対策 連載1~税制と出生率アップの関係とは~
コラム 2025.12.17

皆様、こんにちは。黒永会計事務所 代表の黒永です。
お忙しい中、このコラムにお目通しいただきありがとうございます。

今回より、日本が直面する最も喫緊の課題の一つである少子化対策について、連載を始めます。
会計事務所がこのテーマを扱うのは異例ではありますが、日本の将来の財政や経済に直結するこの問題の深刻な危機感から、私たちはこのテーマを取り上げました。

人口維持の基準と日本の現実

まず、日本が国家として現在の人口規模を維持し、国力を保ち続けるために必要な基準を知る必要があります。

人口を維持するために最低限必要な「合計特殊出生率」(その時代の女性一人が生涯に産むであろう子どもの平均数)は2.07です。

しかし、日本の現状は極めて危機的です。この合計特殊出生率は近年低下を続けており、昨年は1.15まで落ち込んでいます。

人口維持水準である2.07を遥かに下回るこの数字は、何の手立ても打たなければ、人口がこのまま「鶴べ落とし」のように減少していくことを示唆しています。

人口を維持するためには
一人の女性が平均2.07人子供を産む必要がある。
でも2024年の数字は、、、1.15人!!

2100年、国家財政の崩壊

このまま手を打たずに推移した場合、私たちの子供や孫の世代には想像を絶する未来が待っています。シミュレーションによれば、2100年には日本の人口は現在の約1億2000万から約5,100万人まで半減する見込みです。これは、日本が明治時代の人口水準に戻ることを意味します。

人口が半減すれば、当然ながら税収も半減以下になります,。現在、国の予算(115兆円)の約87%は借金(国債)で賄われており、国と地方を合わせた借金は約1500兆円に上ります。

歳入が激減すれば、借金はさらに膨らみ、現在の予算の約4分の1を占める国債費の割合は4割以上に達し、財政破綻につながります。

税収の激減と借金の増加は、最終的に年金制度や介護保険制度の崩壊を引き起こす国家の危機です。

少子化対策は最大の経済対策!

この危機を回避するためには、遅くなればなるほど回復が困難になる少子化対策に、今すぐ本気を出す必要があります。出生率が0.1%アップするとGDPが1%上がるという試算があり、少子化対策こそが最大の経済対策なのです。

出生率アップが今後の日本経済のカギ

次回以降は、日本の財政の危機的状況について解説します。