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今こそやるべき少子化対策 連載2 ~財政の危機的状況~

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コラム 2026.1.16

こんにちは。黒永会計事務所の黒永です。前回のコラムでは、日本の出生率が人口維持レベルを大きく下回る1.15まで低下し、2100年には人口が半減するという衝撃的な予測についてお話ししました。

今回は、その人口減少が私たちの生活基盤である「国家財政」にどのような壊滅的な打撃を与えるのか、会計専門家の視点から解説します。

1,500兆円の借金と借金の返済と利払いに消える予算

現在、日本国と地方を合わせた借金は約1,500兆円という膨大な額に達しています。これは国民一人あたり(赤ちゃんも含めて)1,000万円以上の借金を背負っている計算です。

また、国の予算規模は約115兆円ですが、その約4分の1にあたる約28兆円が「国債費」、つまり借金の返済と利払いに消えています。驚くべきことに、そのうち10兆円は単なる「金利の支払い」です。

少子化が招く税収の消滅

2070年には人口が8000万人、2100年には6000万人以下になるという試算もあります。

もしも2100年に人口が現在の半分(約5,000万人)になったとします。これは明治時代の人口と大体同じです。
人口が減るとそれに合わせて国の収入源である税収や社会保険料も減ります。一方で、これまでに積み上がった借金が減ることはありません。

人口が減り税収が激減する中で借金を返し続けようとすれば、予算に占める国債費の割合は現在の25%から4割以上に跳ね上がる可能性もあります。

こうなれば、もはや国としてまともな行政サービスを提供することはできず、事実上の財政破綻を迎えることになります。

社会保障制度の崩壊は「他人事」ではない

この財政危機が最も直撃するのは、私たちが将来頼りにしている年金や介護保険制度です。支え手となる現役世代が激減し、国庫からの補填も税収不足でままならなくなれば、これらの制度は維持不可能となり、崩壊せざるを得ません。

防衛力についても、いくら高価なミサイルを購入したところで、それを運用する人間(若者)がいなくなれば、国を守ることすらできません。

少子化対策は「最大の経済対策」

政治家の中には「収入と支出のバランス(プライマリーバランス)さえ取れれば良い」と楽観視する声もありますが、借金の返済を含めた全体像を見れば、そんな悠長なことは言っていられません。

出生率が0.1%アップすればGDPが1%向上するという試算がある通り、少子化対策こそが日本の財政を救う「最大の経済対策」といえます。

少子化対策こそが日本の財政を救う「最大の経済対策」

次回は、この少子化を招いている「真の原因」について、統計データをもとに掘り下げていきます。