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不動産による相続税対策

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不動産を有効活用して相続税対策を行おう

「節税対策」「分割対策」「納税資金対策」に適した不動産。不動産を活用して賃貸経営を行うことにより賃料収入を得ることができ、さらに相続税評価額を下げる効果もあります。

ここでは、


についてご紹介していきます。

借入金でアパート、マンションを建てる

被相続人が、まとまった規模の宅地を所有している場合で、貸家としての立地が良ければ、借入金でアパート、マンションを建築し、賃貸すると非常に有効な相続税対策の1つとなります。

借入金でアパート、マンションを建てることのメリットとデメリット

メリット

  1. 宅地が貸家建付地として評価される。借地権割合70%であれば、21%減額される。
  2. 建物の相続税評価額は、固定資産税評価額(約60%)なので、40%の評価減がとれる。
  3. さらに、貸家にすると、貨家の評価減(11借家権割合)が受けられる。借家権割合が30%とすると、約7割の評価減となり、借入金との差額が節税効果となる。
  4. 固定資産税も居住用土地となり、一戸当たり6分の1(100mまで)、または3分の1)となり相当な気が見込める。
  5. 将来的にも、家賃収入が見込まれ納税資金対策になる。
  6. 金利、信費等で、倒人所得税の節税効果も期待できる。

デメリット

  1. 採算、立地の検討
    アパートの立地が悪い所だと、入居者もなく、借入金の返済もままならず、相続対策どころではなくなる。
  2. 資金計画
    その地域の賃料相場、入居状況、空室リスクを考慮した場合においても、借入返済可能か否かを十分に検討する必要がある。

次の設例のように、更地に借入金二億円でアパートを建てた場合には、土地の評価が貸家建付地の評価減(▲11%)を使えて、建物の評価も固定資産税評価額(88,000万円)となります。

「さらに、借入金2億円はそのまま控除できますので、結果的に1億4,300万円の評価減となり、相続税の節税効果は5,570万円になります。

 

ワンルームマンションで評価減

相続税節税対策のうち、不動産対策の有効な手段の1つにワンルームマンションの購入があげられます。 ワンルームマンションは、新築では2,000万円以上しますが、中古であれば、1,000万円台になりますので、中古ワンルームマンション(以下、中古ワンルームという)がおすすめです。

たとえば、現金1億円で、1,000万円の中古ワンルームを10戸購入した場合には、中古ワンルームの相続税評価額は、下記のようになります。

つまり、中古ワンルームの相続稅評価額は、マンションについている少しの土地の部分の評価額と中古マンションの建物の固定資産税評価額の合計となり、1,000万円のマンションの評価額は、200万円〜300万円程度に評価されます。

結果として、現金1億円で中古ワンルームを10戸購入した場合には、70%(7,000万円)以上の評価減となるのです。しかも、1000万円台の物件なので購入しやすく、非常に大きな評価減がすぐにとれるのも、メリットといえます。

中古ワンルーム購入のメリットは、その他にも3つあります

遺産分割しやすい

同じマンションでも1億円のタワーマンションと1,000万円が10戸のワンルームマンションとでは、遺言や遺産分割協議において、分割のし易さに差が出てきます。
1戸のタワーマンションの場合には、3人の相続人がいたならば、ほとんどのケースで「共有持分」いわゆるみんなで均等に所有している状態で相続することになります。この「共有持分」の場合には、3人の兄弟で3分の1ずつ所有していますと、10年、20年後に譲渡するとか担保に入れたいとか、生前贈与したい等の状態になった時には、全員の同意と実印と印鑑証明書が必要になってきます。
また、何年か後に次の相続が発生すると、名義が細分化されてますます手続きが複雑になり、資産活用が困難になります。このようなことを避けるために、中古ワンルームを何戸か持つと、分割も容易ですし、所有も単独所有になりますので、「共有持分」よりも優れているといえるでしょう。

年金効果がある

一定の現預金で中古ワンルームを購入した場合には、大事な老後資金がその部分不動産に代わるので、老後資金の心配をされる方があると思いますが、中古ワンルームは賃貸に出してもすぐに借り手があり、家賃が毎月入ってくるので年金効果もあり、老後資金として活用することができます。
1000万円台の中古ワンルームで家賃は6~7万円とれますから、毎月60~70万円の家賃が年金のように入ってくるので、老後資金として安心といえます。

換金性が高い

ワンルームマンションは、相続税の納税手段としても有効です。中古のワンルームマンションは、家賃が確実にとれますので、利回りが高く市場性があり、売却が比較的簡単にできます。その売却資金で、相続税を納付するということです。

 

ただし、ワンルームマンションの購入時の条件として、2つあげられます。

1つは立地がよいことです。
たとえば、大都市のターミナル駅の近くであれば空室リスクが低くなり、資産価值が高いので、売却も容易になるのです。

2つ目は、耐震構造であることです。
数年前の東北の大震災のような地震の場合にでも、倒壊しない耐震構造のマンションを買うべきでしょう。

 

底地と借地を交換する

古くからの地主さんは、都市部に広大な土地をお持ちですが、その土地の中には他人に借地として 貸して地代を収受しているケースが多くみられます。

このような場合には、相続税対策上、さまざまな問題点が生じてきます。

問題点

  1. 土地の評価は底地のみであるが、土地高隊により、多額の相続税が生じている
  2. 借地人の権利が強いため、売却、有効利用等が容易にできない
  3. 納しても、地代収入が少ないため、現が困難

そこで、解決策として、底地、借地の交換が考えられます。借地権割合が六割であれば、土地全体の所有権割合を、底地(4割)対借地(6割)をそれぞれ更地割合を4対6になるように底地の6制と借地の部分を交換します。この方法を行うと、土地の売却、有効利用等で、地主の相続対策上、土地の売却、有効利用等ができますので、非常にやりやすくなります。

また、借地人も借地が更地に変わりますので、資産価値も上がり、担保として利用することも可能となります。ただ、双方の土地に対する考え方がそれぞれ違いますので、交渉は慎重に進める必要があります。

ところで、底地と、借地の交換は基本的には土地の譲渡とみなされます。ただし、一定の要件に該当する資産の交換については、「固定資産の交換の特例」があり、譲渡所得税は課税されません。そこで、この交換の特例を受けるための確定申告を忘れずにする必要があります。

 

等価交換を利用する

等価交換方式とは

土地の有効活用というと、借入金を使って建物を建てるという方法が一般的とされています。しかし、高額な借入金の返済リスク、頭金等の多額の現金支出等の理由で、敬遠される方もいます。そのような方で、都市部にまとまった土地を所有している人に適切な方法が、「等価交換方式」です。

この方式は、土地所有者は土地を提供し、デベロッパーは建築費を全額負担し、賃貸マンションやビルを建築します。その後、土地の所有権の一部と建物の所有権の一部を等価になるように交換し合い、それぞれ土地については、共有持分、建物については、区分所有権として持ち合うという方法です。

等価交換のメリットとデメリット

メリット

  1. 借入金が発生しない
  2. 頭金等の多額の現金支出を必要としない
  3. 返済がないので、空室リスクを抑えられる
  4. 設計等の手間を省ける
  5. 土地が、貸家建付地および小規模宅地の減額が使え、評価減が図れる

デメリット

  1. 交換比率、設計、建物土地の評価等で開発業者主導になりやすい
  2. 資産価値のある土地を手放すこととなる

税金はかからない

等価交換も原則として、土地を売却してその現金で建物を購入したとしてみなされるので、土地の 売却益には、譲渡所得税がかかります。ただし、等価交換の特例として、一定要件を満たしていれば、 譲渡所得稅がかからないこととなっています。

その特例は、次の3種類となっています。

  1. 中高層耐火共同住宅の買換え
  2. 特定民間再開発事業の買換え
  3. 特定事業用資産の買換え

土地の利用区分を変更する

土地の評価方法は、基本的には路線価で評価されることとなっています。

また、2つ以上の路線価に面している土地は一番高い路線価をベースに評価されます。つまり、幹 線道路に少しでも接していれば、全体がその高い路線の価で評価されるのです。そこで、駅前駐車場等の広大な土地の場合には利用区分を2つに分けることによって、大幅な評価減を受けることが可能となります。

土地の評価はそれぞれの利用単位ごとに行いますので、駐車場だけの利用であれば、高い路線価の方はアパート等の貸家建付地および貸家の評価減を受けられる土地に区分変更し、裏の低い路線価の方は駐車場として残す等の方法が、非常に有効な節税対策となります。


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