黒永会計事務所 | 東京都新宿区の税理士事務所です。図解で分かりやすい経営コンサルティングを行います。

信託制度(最新の相続対策)

  1. トップ
  2. 対応業務
  3. 相続税対策コンサルティング
  4. 信託制度(最新の相続対策)

信託制度でより効果的な相続対策を行おう

「信託」と聞くと、「信託銀行」をイメージしがちではないですか。どうしても一般の方には、なじみの薄いものに感じられます。

平成19年に「信託法」の改正があり、信託銀行でなくても一般の方が簡単に、しかも効果的な相続対策がとれる手法に「信託制度」が変化しました。是非、この機会に「信託制度」を相続対策の一つに考えられるとよいでしょう。

ここでは、


についてご紹介していきます。

信託制度を利用したいと思っても、「よく分からないな」と感じた方は、ぜひお気軽に黒永会計事務所までお問い合わせください。

 

信託制度を使った相続対策とは?

では「信託」とはどういうものか、みていきましょう。

「信託制度」は中世ヨーロッパが起源で、そのころ戦争が長く続いていて、父さんが妻子を残して戦場に行く前に、財産の管理を信頼できる親戚に依頼して、自分が戦死しても妻子の生活が困らないようにしたのが始まりといわれています。そうすることにより、戦地に行っている本人に代わって、親戚の叔父さんが財産の賃貸借契約や売却、購入をすることが可能になり、その収入を残された妻子に定期的に渡すことが可能になります。

このように「信託制度」とは、自分の財産を他人に託して自分の家族に利益を確実に渡していくという、人間が長い間かけて作り上げた制度で、文字通り「信じて託す」ということなのです。

信託制度には、登場人物が三者います。

財産の所有者でその管理を依頼する父親=「委託者」、頂かった叔父さん=「受託者」、その収入(利益)を受ける美子=「受益者」という三者です。

父:依頼人(委託者)

叔父:代理人(受託者)

妻子:利益もらう人(受益者)

「信託制度」にはいろいろなバリエーションがありますが、これを使うことにより、今まではできなかった相続対策が可能になりました。

 

妻の二次相続の分割まで指定できる

受益者連続型の信託

相続対策として「遺言」は有効な手段ですが、効力には限界があります。たとえば、自分の財産を誰に相続させるということは指定できますが、その財産を取得した相続人の次の相続内容について、言及できません。 ところが「信託」を使うと、その契約した日から30年間、自分の財産が誰にどのような順序で相続されていくか、指定することができるのです。

設例

Aさんは、再婚で先妻との間に子供がいます。後妻との間に子供がいないので、後妻の老後のためにもAさんは、財産を奥さん(後妻)に相続させるように、遺言を書いています。ただ、奥さんが亡くなった場合は、奥さんの実家(奥さんの父母、兄弟姉妹)に財産が行ってしまいます。

Aさんの希望としては、先妻との間の子供に財産を戻してあげたいと思っているのですが、現在の「遺言制度」では、どうしてもできません。

そこで、信託制度を使うとそれが可能になるのです。信託では、遺言は財産所有権の指示をしますが、信託制度では財産の「受益権」(利益を受ける権利)を指定するものなので、奥さんの後の「受益権」を子供に指示することができるのです。

その指示できる期間は30年間という長期間にわたって可能なので、「子供」の次に「孫」を指示することもできるのです。この制度を「受益者連続型の信託」といいます。

 

幼い子供への財産の新しい贈与方法とは?

信託を使うと幼い子供に財産を確実に渡すことができます

相続対策で、一代とばして系に生前贈与するケースがあります。たとえば、祖父から三歳の孫へ現金3,000万円を生前贈与する場合には、「財産の管理」と「贈与契約書」が要件になってきます。

ただ、孫はできませんので、孫の親であり祖父の子供が孫に代わって契約や管理を行うことになります。

このようなケースでは、税務当局から実質は孫の名義を使った子供への贈与と判定されるリスクがあります。

「信託」を使うと、代理人(受託者)を間に立てて、祖父(委託者)と代理人(受託者)との間で孫を「受益者」にする信託契約を結べば、課税関係も明確になります。3歳の孫に3,000万円を一括で送金するのではなく、受託者が毎年一定額をわたす方法もとれます。ただし、贈与税に関しては、「贈与契約」も「信託契約」も、「贈与者」で「受益者」である「孫」に課税され、評価額も同じ所有権の評価額となります。贈与税の納税対策も考える必要があります。

 

贈与した財産を引き続き管理・支配したい

長男に自社株を贈与したいが経営は引き続き父(社長)がしたいケースは「信託」を使おう

社長である父が事業承継対策のために、後継者の長男に自社株を贈与したいというケースは多くみられます。その会社が業績が良ければ評価額が毎年上昇しますので、早いうちにできるだけ贈与したいと考えるものです。ただし、社長としては、経験のない若い長男に経営を任せるには不安がありますので、引き続き経営権は持したいと考えることがあります。

このような場合、従来の自社株の生前贈与の方法では、株式と議決権は一体となっていますので、贈与があった時点で自社株そのものと議決権が、後継者の長男に移ることになります。

ところが、「信託」を使うと、今まで対処できなかったこのような問題を解決することができるのです。その方法のポイントは、自社株式を「議決権」と「財産権」に分けるということです。

「議決権」とは、具体的には議決の指示をする権利のことで、信託では「議決権行使の指図権」といいます。「財産権」とは、配当を受ける権利や清算時に残余財産を受ける権利のことをいい、決性は含まれません。

このことを利用して、会社のオーナーである父親が「委託者」であり「受託者」で「誠決権行使の指図権」を有し、後継者である長男には「財産権」のある「受益者」とする信託契約を作成します。

これにより、長男は贈与税は生じますが、「議決権」は引き続き社長である父親が有していますので、会社の経営は父親がやることになります。また、長男が父より先に死亡した場合には、通常の贈与の場合には、大半は長男の嫁が相続することになります。そうすると、大事な会社の経営権が創業一族以外に移動することになりますので、このことは絶対に避けなければなりません。

信託契約では、長男が先に亡くなった場合に、次に受益権を取得する者を指定することができます。

たとえば、「長男が亡くなった場合には、次男が次の受益者になる」と定めておくと、受益権が長男の配偶者に行かずに、次男が受益者となります。

「信託」を利用すると、大事な会社の経営権が社外に流出するリスクを、このような方法で回避すことができるのです。

 

相続税対策コンサルティングメニュー